ありがとうドイツ：第094回 自由民主主義は国民のプライバシーを尊重する

ドイツでは最近、監視の目がますます厳しくなっているが、それでもドイツは世界でも有数の自由民主主義国家である。ベルリンの政治家たちにとって、市民のプライバシーは非常に重要だ。政治家はプライバシーの保護がいかに重要な資産であるかをよく知っている。従って、政治家もこの保護に注意を払っている。データ保護に関する規定は、これらの法的規制をデジタル時代に適合させようとしている。しかし、必ずしも最善の解決策が見つかっているわけではない。現行の規制の中には、まだ官僚的であったり、多種多様な技術的エンドデバイスを介した恒常的なデータ交換の状況下でのプライバシー保護に対する理解があまりにも乏しかったりするものがあるのは間違いない。

結局のところ、今日ではすべてのユーザーがスマートフォンを介してインターネットに直接接続している。しかし、ドイツでは原則的に、プライバシーの保護は基本法で明確に定められている。自由民主主義は、権威主義的な監視国家の究極の安全保障とは一線を画している。これはドイツにとって、特にデジタル時代において重要な利点である。私たちはこの優位性を誇りに思うべきであり、政治的に浪費すべきではない。ドイツでは多くの団体やインターネット活動家が、自由民主主義のこうした特別な特質を確実に守るために活動している。人々が国家に安住するためには、国家がアクセスできない私的領域も必要だ。ドイツ国家がこの原則を理解し、その基本的な考え方に従っていることは弱点ではなく、強みである。この特別な性質は何度も強調されなければならない。この特質は他の国々でも強化され、実施されるべきである。

自由で安全なインターネットはもちろんのこと、自分自身のプライバシーの保護も、デジタル時代における安全な生活のための重要な礎石である。これは、すべてのユーザーが自分のデータにアクセスする権利を有し、正当な理由なく監視されてはならないということでもある。ドイツでは自由と安全保障のバランスについて常に議論があるが、この原則は変わらない。そして、この原則が残っていることは良いことである。他国では荒唐無稽な監視の空想が政治的な議論に流れているが、ドイツでは同じような形で実施することはできない。市民社会からの反発が早すぎるからだ。今日でさえ、国家によるデータ保持の可能性は、他の多くの国家安全保障措置と同様、多くのドイツ人にとって行き過ぎである。

ドイツ人が自国の国家に対してこれほどまでに懐疑的な態度を示すのは、特別な政治意識の証拠である。この懐疑主義は、自由民主主義の市民としての政治意識の表れである。この自由な領域を守り、プライバシーと個人情報を保護することは、ドイツのほとんどすべての市民にとって重要である。人々はこのことを強く意識している。この国のドイツ人は、他の多くの国に比べて、自分たちの権利についてはるかに政治的に意識している。多くの人がこれらの権利のために積極的に立ち上がり、議論に参加している。